日本は世界の中でも特殊な環境であり、インドネシアが国際標準であることを知ってからでは手遅れです。

海外に出ていると、日本という国は色々な面で世界でも特殊な環境にあることを痛感させられます。

 

優美な日本語、2000年以上の歴史、単一民族、海洋に護られた約6000の島嶼国家、等々考えてみれば他の国には無い独自性が日本という国を形作っていることに気が付きます。

 

世界に名立たる『ものつくり国家』を実現出来たのもこれらのお陰であると考えさせられます。

 

しかし、一歩海外に飛び出して仕事をして見ると、日本とのギャップに戸惑い困惑することが多々あります。

 

それはインドネシアにおいても同じことで、決してインドネシアが特殊なのではなく、インドネシアは世界標準であり、日本が特殊なのだと気が付く時が来るでしょう。

 

言葉、宗教、生活習慣、気候、法律など全てにおいて異なる環境での事業展開は決して安易なことではありません。

 

『ものつくり』のレベルの高さでいいものを作れば売れると考えてはいませんか?

 

日本は中小企業の『ものつくり』以外の業務を支えるインフラが、インドネシアに比べて遙かに整っており、さほど気にしなくても仕事に専念出来る環境にあります。

 

しかしインドネシアにおいてはそうは行きません。

 

今まで気にする必要がなかった空気の存在を常に注意していないと窒息してしまうようなものです。

 

インドネシアの産業界はアメリカ式の経営スタイルを身に付けた華僑資本と、前近代的な家内工業的な零細資本が同居する世界です。

 

そして今後は、2019年に新規外国投資で一番となった中国企業と、それまで一番であった日本企業との、インドネシア市場を巡る熾烈な主導権争いが予想されます。

 

まさにハイリスク・ハイリターン、ピンチはチャンスの世界と言えますが、そこに飛び込む覚悟は出来ていますか?

 

市場開拓、商品開発、顧客開拓、そしてサプライチェーンからなる自社のバリューチェーンを絵に描けますか?

 

それらの強み・弱み・機会・脅威について客観的に冷徹に分析出来ますか?

 

インドネシア進出を検討する前にもう一度『脚下照顧』